6)機械加工の段階で不良率が高くないですか?(品質、コスト) |
機械加工を行っている段階で特に問題にしたいのが加工完了直前での不良発生、完成後に発覚する不良、納品後に発覚する不良ですね。加工開始後まもなく発生する不良はそれ程製作時間に影響はありませんが、完成間近、完成後の不良と言うのは赤字になる確率が高く、取り返しをする事は不可能に近いですね。
これらの非常に深刻な不良が頻繁に起こる場合の問題点を改善する事がとても重要な事と考えています。 |
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材質:SK材 焼き入れ高度:50度HRC
問題点:
材料取り、6面加工、M/C加工迄終わり、最終加工の焼き入れで角穴の角部より焼き割れが入る事が多く、機械加工が終わった後の不良発生で加工業者としては非常に負担が大きかった。
原因:
角穴の角部(4ヶ所)にRを付けない寸法指示になっており、加工社は角を出す事に非常に神経を使って仕上げていた。
焼き入れ時に各角部は厚みが違う為に焼き割れが生じていました。 |
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角穴部の使用用途の確認後鋭角からR1にしても差し支えない事が分かり、寸法変更をおこない、それより不良率が激減した。 |
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表面に出てこない問題の中にこの手の問題がありますね。コストダウン要請の話が起こる度に出て来るのがこの手の話だと思います。
不良率が高い為にコストダウンの要求に応えられないと言う話を良く聞きます。
何故不良率が高いのかをよく考えて仕様と絡めて考慮出来ると結構大きな改善になると思います。一つの考え方に不良率が高いと言うのは手離れが悪いと言う考え方があると思います。また、指示寸法の記入方法が誤解を招く書き方だと言うのも結構ありました。
不良率の高い部品には何処かに図面上の問題がある事も結構あると考えられますので此処いら辺を考慮出来ると改善の方向性が見えてくると思います。 |
14)品質過剰にはなっていませんか? |
文章にして書くととても短いのですが、これが結構見過ごしがちだと思います。寸法公差、表面処理方法、取付部品の選択、形状、材料の選択とお客様の要求している仕様とマッチしているかどうかを再度検討してみると結構最適品質選定方法、最適加工方法が出て来ます。 |
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ベアリングブラケット、シャフト、ベアリングのユニットですが、シャフトのベアリング挿入部の公差を加工業差が維持出来ないことが多いと言うことで、苦肉の策で真ん中を太くしてて組み込みやすくしています。 |
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加工外注に対して技能教育、品質教育をおこなうことで真ん中を太くすることは必要なくなり、ストレートのシャフト形状で良くなります。その結果、組み込み工数も変わらず加工工数削減が出来てコストダウンと成ります。 |
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寸法公差、表面処理の外観検査、塗装の外観検査等の設定によって不良率は全然違ってきますね。仕様に基づいた寸法値、公差、表面処理の指示(外観、膜厚等)、塗装の外観指示も必要な品質に応じた内容にとどめておく事が最適な品質、価格を作りだしてくれる物と解釈しています。 |
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